今、一番仕事量と給与のバランスが取れていないのがこの30代の就職氷河期世代ではないだろうか。一番使いやすい世代。仕事が分かっていて且つ安い給与で使う事が出来る。体力もある。同世代の採用数が多くないために負担する仕事は他世代と比べてもいや増しているはず。だが企業が効率を考えた場合、この世代に仕事を集中させるのは必然性があるように思う。使い減りが少なく、それなりに仕事をこなすことが出来、仕事を得る事の厳しさを知っているから、ある程度従順だからだ。
この世代は厳しい就職活動を切り抜けてきた。仕事に対する意欲は売り手市場の今の就職活動期を経て入ってきた人間と比べても一段と高いと思われる。周りで就職したくても出来なかった人間の姿を目の当たりにしてきたからだ。しかしその一方でその厳しさを切り抜けてきたがゆえに自負心が他の世代に比べて強い気がする。
今、恐らくこの世代は深い悩みの中にいる。仕事は増える。責任感は増す。家族が増え、出費が増える。しかし給与が思うように増えない。そして何よりも気がかりなのは、自らの上と下の世代を見て仕事に対する意欲が削がれている。ただ何となく入ってきた下の世代の仕事に対する姿勢に疑問を感じ、20年前そういった状況で入ってきた世代の仕事ぶりを見て、自分との給与差と仕事量の差に疑問を感じる。
経営者側はこの世代の人間に、今後特に注意を払うべきだと思う。少なくとも成果主義の名の下に採用されてきた最初の世代といって良いこの世代は、それにそぐわない状況には強い不満を感じているはず。例えば、20代世代とあまり変わらない給与であったり、上の世代にたくさんいる、結局は年功序列的に厚遇されているバブル入社組であったり・・・。ここへの注意を怠れば、唐突にこの世代の人間は転職という形で牙を向く。何故ならこの世代は、生涯一職ではない、終身雇用が崩れてしまった仕事観を持つ最初の世代でもあるのだから。
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