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農水省から出てきたというこんな話。
農水省は12日、国産の食品を買うとポイントで還元される制度を2009年度にモデル実施することを明らかにした。消費者が国産品を選択する仕掛けを作り、食料自給率を引き上げるのが狙い。07年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は40%で13年ぶりに上昇したものの、主要先進国の中では依然として最低水準。「国産ポイント」で消費者の心をつかめるかどうか、注目を集めそうだ。
ポイント制度は、例えばスーパー店頭で国産の農産物や魚介類を購入すると獲得でき、一定程度たまると商品の割引が受けられたり、地元農産物と交換できたりする仕組みになる見込み。コンビニでの国産食材を多く使った弁当の購入や、レストランでの国産メニューの飲食なども対象として想定している。
農水省は来春までに流通や外食関係の民間企業、地域の小売店と生産者が連携した協議会などから企画提案を募り、09年度にモデル事業として委託実施する。複数の事業を支援する方向で、成功事例は他の企業や地域にも広く紹介したい考えだ。(了)
[時事通信社]
単純に批判してしまうのは簡単な話だが、少し立ち止まって考えてみた。
何となく考える方向性はそう間違っていないのではないかと思うからだ。
WTOドーハラウンドの農産物分野での交渉決裂は記憶に新しいが、合意間近と思われていた内容は日本農業にとって厳しいものであったのは周知の事実。食料自給率の向上は今後考えるべき課題なのは疑う余地もないが、その一方で農業分野において国の力が必要なのもまた事実。何らかのインセンティブが無ければ、残念ながら国産の農産物に競争力は無い。でも、既報のような国そのものが末端にまで関わるような仕組みでは話全体が途方も無い規模になってしまう。
その問題点は主に二つ。
1、ポイント管理の仕組み構築に必要な膨大なコスト
2、どこの誰が国産の農産物であるとの裏づけを行うのか
だがここで、小売チェーン単位に話を矮小化すると実現性が少し増すように感じる。現在主要なチェーンには既にポイント機能は存在する。これを活用しない手はない。チェーン側としては農業への貢献をアピールしつつ、且つフードマイレージ等の部分を絡めれば環境面での貢献もアピールできる。現在良く聞かれるCSRなどの言葉にも表れているように、企業は利益追求の次を考えなければいけなくなってきている。そして何よりも、消費者は安全な食品を求めているはずだ。(全ての国産農産物が安全ではないが、それは今回の主題ではないので横に置いておく)
こういう部分に対して、間接的に民間を動かしていくようもっていくのが公としては賢いやりかた。例えば、小売チェーンの国産農産物購入の貢献度に対して、法人税減税措置を設ける。チェーン側としては小売の際、国産農産物またはそれを多く使用された商品に対しては、小売価格が上昇する分多くのポイント還元を実施し、実質的な価格低減を図る。勿論、同じように見える商品に2種類の価格が並べば、価格の高い商品は売れないだろうから、そういった面に対して国はしっかりとした啓蒙活動を積極的に行わなければならない。この国の未来のために、国産農産物を買いましょうと。このままでは産地偽装をして不正な利得を得ようする輩が出そうだから、この面の罰則は厳しく。できれば性善説に立ちたいが、今の状況ではそうもいかないかも・・・。それでも小売チェーン側は企業の名声と威信にかけて、クリーンな農産物を自らで求めることを信じたい。
まぁ、単純に言えばセブンイレブンで国産のものしか使用していない弁当とそうでない弁当がある場合、たとえ国産品ばかりの方が100円高かったとしても、100円分のnanacoポイントが戻ってくればそっちを買うんじゃないか?って話。セブン&アイはその方が税金も安くなってお得でしょ?ってことで。
国が全てのポイントを管理するなんて途方も無い話よりは、ちょっとはマシな気がする。そんな話を強引に推し進めようとしてたら、たとえそれが日本農業に対する正義感から出てきた話であったとしても傍から見れば、公務員が自らの利権と天下り先を新たに作らんがための話にしか聞こえない。また実際、そうとしか思えない話のような気がする。
国は農業に対してまさしく「NO業政策」とも揶揄される態度で接してきた。国が民を食わせるよう導くのは当然の話。外からの輸入がちょっと滞っただけで混乱をきたすような今の現状では話にならない。
もうちょっと真剣に考えて欲しいかなぁ、っていうのが率直な感想。
(ポイントという面に拘って考えたが、国産農産物への消費税無税化でもすれば一番直接的で手っ取り早い気もするが・・・)
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